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令和4年度診療報酬改定の今後を読み解く

令和4年度診療報酬改定の今後を読み解く

2021年11月8日に財政制度分科会が行われ「社会保障」が発表されました

財務省より社会保障について公表され、資料中に診療報酬改定に関する事項がありました。
保険薬局において、調剤報酬の改定は収益を左右する重要な改定です。
調剤報酬改定の中で重要な3つのテーマを取り上げ、今後を読み解いていきます。
その上で、電子薬歴メディクスが提供できる価値を提案いたします。

  • 調剤報酬の内訳
  • かかりつけ薬局の機能
  • 重複投薬への対応

調剤報酬の内訳

調剤報酬改定の際、「調剤基本料」「調剤料」「薬学管理料」の割合が着目され、改定の参考となります。
技術料に占める調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の比率の推移を見てみましょう。
調剤基本料は2009年から2020年の間に26%から29%に増加しました。一方、調剤料は56%から51%へ減少しています。
管理料の割合は18%から20%にとどまっており、調剤基本料と調剤料が依然高い割合を占める状況です。

出典:財政制度分科会(令和3年11月8日開催)資料一覧

こちらの資料には、

〇 薬剤師業務の対物業務から対人業務への転換が求められ、調剤報酬は、薬学管理などの価値のあるサービスを提供する薬局・薬剤師を評価する方向にシフトしていくべきである。
〇 にもかかわらず、技術料に占める調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の割合についてほとんど変化しておらず、調剤基本料や調剤料に依存した収益構造は依然として継続。
〇 調剤料について、剤数や⽇数に⽐例した算定⽅法を適正化するなどの⾒直しを講じつつ、対物業務から対⼈業務への構造転換を後押しする調剤報酬改定としなければならない。

との記載があります。

こちらから、「以前より対人業務へのシフトを推し進めていったものの、保険調剤薬局の収益構造が変化していない」という現状がうかがえます。
そのため、調剤料が減算され、薬学管理料や対人業務に関する技術料が加算される調剤報酬改定となる見込みです。
リスクの高い医薬品に対する高度な服薬指導や、患者フォローによる治療向上の対人業務に対して調剤報酬の加算が見直されるのではないでしょうか。
この点につきまして、電子薬歴メディクスには、ハイリスク薬指導の入力サポート機能、投薬後フォロー機能(オプション)があり、対人業務への転換を強力に支援する機能が盛り込まれています。

かかりつけ薬局の機能

出典:財政制度分科会(令和3年11月8日開催)資料一覧

同様に、かかりつけ薬局についても、

〇 近年の調剤報酬改定でかかりつけ機能の評価を強化してきたが、調剤基本料のうち地域支援体制加算の実績要件について、制度化された地域連携薬局の要件との整合性が明確でない。調剤報酬上の評価については、制度化された「地域連携薬局」に対して行うこととし、制度面の対応と調剤報酬上の評価とが相まって、かかりつけ薬局・薬剤師機能の発揮を促していくことが望ましい。
〇 また、外来医療における「かかりつけ医」以外の受診への定額負担導入とあわせて「かかりつけ薬局・薬剤師」以外の処方箋受付に置ける負担のあり方についても検討を深めるべきである。

との記載があります。
現在、薬学的管理指導料のなかでも「手帳ありの3か月以内に再来局した患者」が最も調剤報酬が高く設定されていますが、これは同一薬局の利用推進が目的です。
かかりつけ薬局以外の処方箋受付における負担のあり方が見直される場合、かかりつけ薬局の利用をより推進するための改定がなされることが予測されます。
また、患者様に定期的に再来局していただける信頼関係を築く重要度も、より増していく方向に動きそうです。
その点でも、電子薬歴メディクスは、医療事故を減らすアラート機能により医療安全向上に貢献できます。薬の組み合わせによる禁忌だけでなく、疾病情報を加味した禁忌処方に対してもアラートが表示されるので薬局と患者様の信頼関係を守ります(疾病オプションが有効の場合)。
加えて、患者様のかかりつけ薬剤師がどの薬剤師かわかりやすいユーザーインターフェースを採用しているので、かかりつけ薬剤師指導料を適切に算定できます。
2021年11月現在、地域支援体制加算はありますが、地域連携薬局に対して調剤報酬上の評価がない状態です。薬局機能を見直すうえで、地域連携薬局に対する調剤報酬が新設される可能性もあります。
地域連携薬局の認定要件の一部に 「医療機関への情報提供の実績を月30回以上行うこと」 があります。電子薬歴メディクスには、日頃記録している薬歴から情報提供書を作成しやすい機能があり、情報提供書等の作成を効率化・支援します。クラウド型ですので、連携する同じ法人のメディクス導入店舗間での情報共有が可能です。その際は、セキュリティで保護された通信を用いています。
地域連携薬局・専門医療機関連携薬局についてはこちらをご覧ください。

多剤・重複投薬への対応

厚生労働省の調べによると75歳以上の後期高齢者患者の6割が6種類以上の薬を服用しており、多剤投与の適正化が課題となっています。

出典:財政制度分科会(令和3年11月8日開催)資料一覧

多剤・重複投薬への対応についても、

○ 多剤・重複投薬、さらには⻑期処⽅の課題は、その適正化が医療費適正化につながるのみならず、医療の質の改善につながり得るものであることを踏まえ、取組を強化すべきである。
○ 薬局における処⽅内容の疑義照会や減薬の提案の在り⽅についても⾒直しが必要となるが、調剤報酬における対応のみならず処⽅側の対応がより重要となる。
○ 医療機関が、患者の過去の診療・処⽅箋情報等を参照可能となるよう、電⼦処⽅箋・オンライン資格確認システムにおける薬剤情報の活⽤を図り、患者の保健医療情報を効率的に医療機関・薬局等において確認できる仕組みを着実に構築するとともに、診療報酬における多剤・重複処⽅について、減算等の措置を導⼊・拡充すべきである。
○ 2020年に⾃殺者数が11年振りに前年を上回り、⾃殺対策は⼤きな課題となっており、⾃殺に追い込まれることのない社会を⽬指し、総合的な対策を推進する必要。11年前を振り返れば、厚⽣労働省は、⾃殺対策に関し、向精神薬の過量処⽅を問題視。
○ その後、向精神薬について、多剤処⽅や⻑期処⽅の適正化を図るべく、累次の診療報酬改定が⾏われてきたが、これまでの取組の効果を点検し、海外では投与期間が制限されている依存性の強い薬剤を含め、取組を強化すべきではないか。

との記載があります。
上記の内容から、重複投与による保険請求の審査はより厳しくなることが予想されます。
処方箋の剤数が増えれば増えるほど重複投薬の見落としや、前回処方との比較が難解となるため、重複の見落としや残薬がある薬を疑義照会せず渡してしまうリスクが増すのではないでしょうか。
電子薬歴メディクスには、成分の重複を表示するアラート機能があります。受診日から残薬の日数の目安も表示するので、薬を切らさず重複投薬の見落としを防ぐことに役立ちます。
また、標準機能で重複投薬に係る情報提供書の作成支援機能があり、重複投薬に係る提案の際の書類作成を簡単に行えます。書類はPDFファイルでダウンロードもできるのでペーパーレスでも運用も可能です。

事項

2009年から2020年までの経緯

今後の見込み

調剤基本料

26-29%に増加

地域支援体制加算の要件見直し(加算)
同一敷地内薬局の調剤基本料見直し(減算)
後発品調剤体制加算の見直し(減算)

調剤料の割合

56-51%に減少

対人業務への転換を図るため見直し(減算)

薬学管理料の割合

18-20%に増加

対人業務への転換を図るため見直し(加算)

かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師

かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師に対して加算

かかりつけ薬局・薬剤師以外の処方箋受付の見直し(減算)

他剤重複投薬 への対応

重複・相互作用等防止加算、患者の重複投薬に係る情報提供書

疑義照会・減薬提案のさらなる推進

向精神薬の処方制限

向精神薬の処方日数制限

さらなる日数制限、医科の処方点数の減算、減算範囲の拡充

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