Amazon薬局について

【Amazonの日本国内での処方箋販売について】

参入の意義とは

2022年9月に、Amazonが日本国内での処方箋医薬品のネットでの販売を検討していることが、ニュースで報道されました。

Amazonからの公式の発表などはまだ出されてはいませんが、Amazonが薬剤師の募集を増やしていることなどを考えると、いずれ参入してくる可能性が非常に高くなっています。

Amazon薬局が日本の処方箋医薬品のネット販売に参入するのは2023年1月から始まる電子処方箋の運用を見越してのことだと予想されます。
まだ具体的にどういった方法で参入をしてくるのかは発表されていないので、今現在で可能性の高い方法を記載していきます。

当分の間はAmazonが直接薬局を運営するのではなくて、サイト上で連携する薬局に調剤を行ってもらって、Amazonの配送網を使って薬を届けてもらう方法が有力だと考えられています。

ある程度の規模になってきてから、Amazonが薬局の認可を取得し、大型の調剤専門のセンターのようなところを設置して、オンライン服薬指導後にすべてそのセンターで調剤したものを発送するという話題も出てきています。

ただ、調剤過誤が起こったにどう対応するのかなどの法律的な面や、責任をどうするのかというのが現状ではまだクリアになっていないので、法整備がしっかり整ってから本格的に運用が開始されると思われます。

従来の方法では患者さんがご自宅を出て、診察してもらい、服薬指導を受けて、薬を持って家に帰ってくるまで、数時間から半日ぐらいかかっています。

この流れが、Amazon薬局を利用すると下記のように変わると想定されます。

【 オンライン診療 → オンライン処方箋 → Amazon で処方箋医薬品が自宅に届く 】

自宅にいながら診察や服薬指導の順番待ちの時間などもなく、Amazonの配送網も活用できるため、早ければ次の日には薬が届きます。

Amazonのオンラインでの優位性を使うことによって、『時間の拘束が少なく、自由な時間がつくれる、手軽に処方薬が手に入る』というのがAmazonの処方箋医薬品への参入の最大の意義だと考えられます。

調剤薬局への影響

過去にAmazonが参入してきた業界は、どの業界も大きな影響を受けることになりました。
今回の薬局業界においても、大きな影響が出ることは避けられないと思われます。
ただ、エリアによって、影響の大きなところと小さなところの差も生じることでしょう。

たとえば、都会など薬局の数も多く、利用者もネットを使うことに慣れている世代の多いエリアでは既存の薬局は患者さんを取られてしまい経営状況が悪化したり、閉局したりするケースも出てくると思われます。
一方で、ネットにあまり慣れていない高齢の患者さんが多い地方などでは、Amazonが処方薬に参入してきても、ネットを使いこなせなくてあまり進まないことも考えられます。

また、オンライン診療なども一緒に使って初めて利便性が出るものなので、オンライン診療がどれだけ進んでいる地域かというのも重要になってくると思います。
どちらにしても、今後は薬局の数は減っていく傾向になっていくのではないでしょうか。

さらに、薬局の数が減ってくると、薬剤師の数も需要と供給のバランスが大きく崩れることも考える必要があります。
今までなんとなく働いてきただけの薬剤師や、特にスキルの無い薬剤師は、どんどん職を失い、きちんと薬剤師としての仕事をしてきた一部の人たちが生き残る未来は、そう遠くないかもしれません。

あるいは、これらの動きは悪いことだけではなくて、オンライン化が進めば薬剤師の在宅ワークの頻度も増えてくることもありえます。
薬剤師の不足している地域などにとっては、人材を常に確保しておくことはなく、必要な時にオンラインだけで雇うというスタイルが定着してくるかもしれません。

また、調剤報酬なども薬局の現状に合わせて変わっていくので、薬局の経営状況も変わっていくと思われます。
さらに、Amazonが、調剤だけ委託できる提携先や、調剤は一か所で請け負う大型の調剤専門の薬局をつくっていくことも想定されます。

そういったものができた場合の、調剤報酬の点数も新設されると思われますので、そこを狙って調剤専門に舵をきる薬局も出てくる可能性も考慮できます。

オンラインによる調剤薬局の将来

Amazonが日本で処方薬の販売に参入を検討する前や電子処方箋の話が出る前から、オンラインでの服薬指導に力を入れている薬局も、数は少ないですが、あります。

このような薬局は、普段、服薬指導で関係を築けているかかりつけ薬剤師がいる上で、オンライン服薬指導はその延長上にあるツールの1つでした。
オンラインの良い点を取り入れて、薬剤師の時間を上手に確保していました。

こういった取り組みをどんどん進めているところは、便利なものは取り入れつつ、薬剤師の専門性を患者さんに感じてもらえるようになり、今後、どんな変化が起きても対応して生き残っていくことができると考えられます。

逆に、今までなんとなく調剤だけを行ってた薬局が、Amazonが来るからと慌ててオンラインを始め、オンライン始めたは良いがAmazonとの差別化ができずに廃業、もしくはAmazonに買収されていく可能性もあります。

そうならないためにも、今一度、薬局や薬剤師の本来の在り方や、求められているもの考えながら、仕事をしていくことが重要だと思われます。

極論すれば、今後は、「一部の大手調剤チェーン」、「Amazon薬局」、「薬局としての本当の意味での役割を果たせている薬局」の3種類だけが生き残っていける、といっても過言ではないでしょう。。

オンラインだけではなくて、オンラインを使いこなせない高齢の患者さんも置いていくことなく、どちらも対応できている薬局が今後あるべき薬局の姿になるのではないでしょうか。

まとめ

『Amazonが日本で処方薬のネット販売に参入』と聞いたときに、多くの薬剤師が危機を感じたのではないかと考えられます。
保険調剤という国に守られている仕事に、Amazonが参入することによって仕事が減るのではないかという危機感を……。

ただ、これは、薬局や薬剤師が普段の仕事を見直すチャンスだとも思っています。
患者さまが薬局や薬剤師に求めているものは何でしょうか。
そこを考えて仕事をしていけば、それほど危機を感じる必要もないかもしれません。

Amazonが見ているものは『便利に処方薬が手に入る』という利便性の部分が大きいとも考えられます。
しかし、薬局で渡しているものは『薬』ですが、薬剤師が責任を負っているものは『患者さんの生活や命』なのです。
そのようなことも日々考えつつ、患者さんのための調剤を行っていけば、Amazonのやり方にも充分対抗できるのではないでしょうか。

また、患者さんのためを思って動いてくれる薬局には、患者さんも、普段のちょっとした薬や健康の相談もしやすいですし、かかりつけ薬剤師がいるという安心感もあります。

もちろん、薬局側もネットなどの便利なものはどんどん取り入れていき、薬局や患者さんにとっても便利にしていく環境も整えることも重要です。

そして、悪い方のシナリオを思い浮かべるなら、既存の薬局が減った後に、Amazonから『思ったより業績上がらなかったからやっぱり処方薬事業からは撤退します』と言われることもありえます。
そうなったら、誰が生活や命を守ってくれるのでしょうか。
薬の供給は滞り、慌てて薬局を増やそうとしてもすぐに増やすことや人材を確保することはできなくなっていると思われます。

こういったことを想定した上で、「患者さんは誰に命を預けるのか、また既存の薬局はどうすれば信頼してもらえるのか」を検討して、今後の薬剤師としての仕事を行っていくことが重要だと考えられます。

Amazonが本格的に動き出す前に行動することが、今後生き残っていける薬局になる最後のチャンスかもしれません。

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よくある質問

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通常は2週間ほどでご導入が可能です。導入時期によってはお時間を頂くこともございます。
メディクスは高スペックのパソコンでなければ使えないのでしょうか?
いいえ。ノートパソコンやiPad・Surfaceなどのタブレット端末でも薬歴の記入ができます。
メディクスはレセコン一体型の薬歴ですか?
メディクスはクラウド型電子薬歴です。レセコン一体型ではなく、お使いのレセコンと連動させることで機能します。
地方の薬局ですが、出張デモは可能ですか?
可能です。またオンラインでのご説明も行っております。
無料のお試しが可能な出張デモ、お見積、ご質問など、お気軽にご相談ください。
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NSIPS®に対応しているレセコンであれば連携可能です。
お使いのレセコンがNSIPS®に対応しているかは、現在お使いのレセコンメーカーに確認をお願いします。
他社システムで作成・保存してある過去の処方薬情報は移行できますか?
NSIPS®に対応しているレセコンであれば過去の処方薬情報を移行できます。
他社システムで作成・保存してある電子薬歴は移行できますか?
「電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会(exPD:association for exchange of Pharmacy electronic medical record Data)」に加盟している電子薬歴のデータは、データ移行が可能となります。
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