令和4年度調剤報酬改定の内容についての解説3

その他(在宅業務の推進、ICTの活用)

2021年12月10日、社会保障審議会医療保険部会・社会保障審議会医療部会より、令和4年度診療報酬改定の基本方針が公表されました(出典1)。また、2022年3月4日には、厚生労働省保健局医療課より、令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)(出典2)、令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)(Youtube動画、出展3)調剤報酬点数表(出典4)が公表されました。今回は、これらの資料をもとに、診療報酬改定における調剤報酬改定の内容を説明します。

令和4年度調剤報酬改定3つのポイント

1.薬局薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進
2.薬局の機能と効率性に応じた評価の見直し
3.その他(在宅業務の推進、ICTの活用)

ここでは、在宅業務の推進及びICTの活用に向けた具体的な改定ポイントを説明していきます。また、令和4年度の調剤報酬改定に伴う施設基準の届出についてもまとめています。

1 医療におけるICTの利活用・デジタル化への対応
1.1 外来患者における情報通信機器を用いた服薬指導の評価の見直し

 外来診療を受けた患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導については、これまで薬剤服用歴管理指導料に位置付けられていましたが、令和4年度の調剤報酬改定により、服薬管理指導料に位置付けられました。また、要件及び評価が次のように見直されました。施設基準要件については廃止されました。

「オンライン診療」及び「オンライン服薬指導」はコロナ禍の特例措置として、初診からのオンライン診療の実施をはじめ、大幅に規制が緩和された状態で運用されています。
令和4年度改定では、オンライン診療料を廃止し、初診料・再診料に組み込むという設計変更を行い、コロナ禍の規制緩和を踏襲する形で恒常化される運びとなりました。

現行 改定後
10 薬剤服用歴管理指導料
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合 43 点
10の3 服薬管理指導料
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 45 点
ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 59 点

算定要件
 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、イの患者であって手帳を提示しないものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、ロにより算定する。
※服薬管理指導料の加算については、要件を満たせば対面による服薬指導を行った場合と同様に算定可能

1.2 在宅患者における情報通信機器を用いた服薬指導の評価の見直し
 在宅患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導について、次のように算定上限回数等の要件及び評価が見直されました。現行では、在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料は57点でしたが、令和4年度調剤報酬改定では59点に改訂されました。在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する場合において、麻薬管理指導加算、乳幼児加算及び小児特定加算を算定する場合は、在宅患者としてではなく、外来患者に係る点数と同じ点数を算定可能となります。在宅緊急時訪問管理指導料についても同様です。

現行 改定後
15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
注2 別に厚生労働大臣が定める施設基準 に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、医科点数表の区分番号C002 に掲げる在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施に伴い、処方箋が交付された患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、注1の規定にかかわらず、在宅患者オンライン服薬指導料として、月1回に限り 57 点を算定する。この場合において、注3及び注4に規定する加算並びに区分番号 15 の6に掲げる在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は算定できない。また、保険薬剤師1人につき、1から3までと合わせて週 40 回に限り、週 10 回を限度として算定できる。
15 在宅患者訪問薬剤管理指導料
注2 在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、情報通信機器を用いた薬学的管理及び指導(訪問薬剤管理指導と同日に行う場合を除く。)を行った場合に、注1の規定にかかわらず、在宅患者オンライン薬剤管理指導料として、患者1人につき、1から3までと合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回)に限り 59 点を算定する。また、保険薬剤師1人につき、1から3までと合わせて週 40 回に限り算定できる。

1.3 調剤管理料 電子的保険医療情報活用加算について
 保険薬局において、オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して調剤等を実施することに係る評価として新設され、オンライン資格確認システムを活用する保険薬局において調剤が行われた患者を対象として算定可能となりました。

現行
新設
改定後
10の2 調剤管理料
注5 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において、健康保険法第3条第 13項に規定する電子資格確認により、患者に係る薬剤情報等を取得した上で調剤を 行った場合は、電子的保健医療情報活用加算として、月1回に限り3点を所定点数に加算する。ただし、当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等にあっては、3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。

算定要件
 保険薬局において、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、患者に係る薬剤情報等を取得した上で調剤を行った場合に月1回に限り3点を加算する。
健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等にあっては、令和6年3月31日までの間に限り、3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。

施設基準
(1) 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第1錠に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。
(2) 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
(3) 電子資格確認に関する事項について、当該保険薬局の見やすい場所に掲示していること。


施設基準が改正されたもの

  • 調剤基本料3のロ:区分の変更がない場合は届出不要
  • 後発医薬品調剤体制加算1~3:区分の変更がない場合も届出が必要
  • 地位支援体制加算4:令和4年度改訂で地域支援体制加算(調剤基本料1以外の場合)の実績要件について、「薬剤師1人当たり」から「処方箋1万枚当たり」に変更しており、当該加算を算定している場合であっても地域支援体制加算4を算定するためには届出が必要。
  • 地位支援体制加算1:令和4年度改定で在宅薬剤管理の実績に係る要件が改正されているが、令和4年3月末日時点で、地域支援体制加算(調剤基本料1の場合)の届出をしている薬局において地域支援体制加算1の要件を満たして令和4年4月以降に当該加算を算定する場合は届出不要。

※在宅薬剤管理の実績に係る要件については令和5年3月末日までの経過措置を実施。
※地域支援体制加算に係る経過措置については、令和5年3月末日に経過措置期間が終了することから、その時点で別途届出が必要となる予定となっている。

令和4年度(2022)の調剤報酬改定のまとめ

ICTの活用として、今回の改定で新設された服薬管理指導料は、情報通信機器を用いて服薬指導を行った場合でも要件を満たせば対面の場合と同様の点数を算定できます。

また、在宅の患者さまに対する情報通信機器を用いた服薬指導についても、在宅患者オンライン薬剤管理指導料として、施設基準はなく月に4回まで59点の算定が可能となります。
※末期の悪性腫瘍の患者さまの場合は週2回かつ月8回まで

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導入事例

有限会社広田薬局 様

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